パーフェクトな君の弱点。



「柚音ちゃんはなに観たいの?」

「うーん、善くんが出てる映画が観たい」

「あれ、恋愛ものだけどいいの?」


俺がデビューして初めて主演で出させてもらった映画で俺も結構思い入れの強い作品だ。

仮にも演技で役とはいえ、彼氏が他の相手に恋してるところなんてみて面白いのか。


「うん!キュンキュンしたい!」

「俺じゃ、もうキュンキュンしねえの?」


それは聞き捨てならねえな。

俺はこんなにも柚音ちゃんに夢中なのに。


「そ、そういうことじゃない!善くんには今でもドキドキするよ」


顔を真っ赤に染めて、恥ずかしそうにモジモジしている彼女をみてホッと安堵する。

その反応的に嘘じゃねえな。

まあ、柚音ちゃんの嘘とか簡単に見抜けそうだけど。
全部、顔に出てるし。


「顔真っ赤だよ。じゃあ、それ観たら」


そう言って、柚音ちゃんが持っているリモコンに自分の手を重ねてボタンを押す。