「なっ、」
「柚音ちゃん、いい匂いする」
彼女の首筋に顔を埋めると、ブロッサムの香りがして心が安らぐ。
「善くんに会えるから香水つけてみた!」
なんて、お茶目な顔して笑うから俺の心臓がドクンと甘く跳ねる。
健気で可愛い。
もうそれしか出てこない。
俺、柚音ちゃんがいなくなったらどうやって生きていこう。
いや、そんなこと想像したくもないし、そんな日が来ないことを願うんだけど。
「これ以上、いい女になってどーすんの」
「えっ……どうするって、善くんに似合う人になりたいな?って思うけど」
「別に俺が好きなんだから、俺に似合う似合わないとかどーでもいいよ」
周りが何と言おうが、俺は柚音ちゃんが好きで好きで仕方ないんだから。
満にも呆れられるくらいには。



