パーフェクトな君の弱点。



まあ、まず向こうがわたしのことをまだ覚えているかわからないのでそんな無駄な心配はしなくてもいい気がするけど。


「えーっと、体育館は……」


教室に荷物を置きに行ってから入学式の会場の体育館へ向かうけど、場所がイマイチわからない。


「ねえ、あなたもA組だよね?」


急に話しかけられてビクリと肩が揺れた。


「そ、そうです」


視線の先には黒髪のショートボブが良く似合う向日葵みたいな笑顔を浮かべた女の子がいた。

な、な、なんて可愛いんだ……!



「わたしもA組なんだ。一緒に体育館行こ!」


「う、うん!」


「わたし、野原希織(のはらきおり)。よろしくね」


漣柚音(さざなみゆのん)です!よろしく!」


「柚音ちゃん……!名前まで可愛いね!」



にこっと微笑んで褒めてくれる希織ちゃんは一般科にいるのが不自然なくらい可愛い。
お母さん、さっそく目の保養を見つけたよ。