「世界で1番可愛い俺の柚音ちゃんを攫いに来た」
彼はわたしの世界で1番大好きな甘い笑顔を浮かべている。
その額には汗が滲んでいて、暑いのに顔を隠すためにわざわざそんなの被ってくれたんだとまた泣きそうになる。
「なに、それ」
「ちょっと会わない間にこんなに可愛くなっちゃって」
クマの着ぐるみの頭を地面に置いて、わたしの小さなお団子をちょん、とつつく。
「……新種のクマとか言ったくせに」
「だってほんとじゃん。俺が見つけた新種のクマ。ほら、耳まで生えちゃってほんと可愛すぎてこの写真、即保存した」
そう言いながらわたしが送った写真を見せてくる。
その画像は、確かに彼のフォルダに保存されていた。



