「ふふ、ゆのたんがちょっと元気出たみたいでよかった」
「ZENくんのおかげかな」
彼のことでちょっと落ち込んでいたくせに、いざ彼を見ると元気が湧いてきちゃうから本当に不思議だ。
「恋の魔法は恐るべしってね。じゃあ、わたし並んでくる!」
希織ちゃんは50m走に出るらしく、召集がかかっているところへ走っていった。
頑張れ、希織ちゃん!
ていうか、わたしの話ばっかりで希織ちゃんの話全然聞けてない!
何やってんのよ、わたし!
今度ちゃんと希織ちゃんの話も聞かせてもらおう。
あ、そういえば善くんって何に出るのかな。
ちなみにわたしは玉入れなので運動音痴もバレずに安心。
ちょっとだけでも善くんの顔、見れないかな。
そんなことを思いながら席から立ち上がって芸能科の方に少しずつ歩いて近づいていく。
うーん、ここからじゃよく見えないなあ。
背伸びをして必死に大好きな人の姿を探すけど、なかなか見当たらない。



