「ほら、早く送りな!」
「あっ!」
トーク画面を開いてウズウズ迷っていると、横から希織ちゃんに送信ボタンを押されてしまい、一瞬にして彼に届いてしまった。
「いや、既読早すぎ。今リハしてんじゃないの?」
希織ちゃんのいう通り、秒で既読がついた。
確かに善くんは今、この後行われる体育祭の開会式で“Sirius”としてパフォーマンスをする予定で今はそのリハーサルをしているはず……。
「へ、返信はない……。無視されたー!」
絶対に引かれたよ。終わりだ。
今日で善くんとのお付き合いも終わりかもしれない。
「絶対、今悶えてる最中だよ」
「そんなわけないじゃん!」
「あ、ほら返信来たよ」
そう言われて画面を見ると
【あれ、耳が生えてる。新種のクマ?(笑)】
と、返信が来ていた。



