「だから、俺と柚音ちゃんは恋人なんです」
お前の入る隙間なんてねえんだよ。
「いつから……?」
「つい最近ですけど」
「じゃあ、俺にもまだチャンスはあるな。俺は諦めない。まだ俺は振られてないし、仮に振られても諦めないから」
爽やかな笑顔を浮かべて、強い意志を持った目をしている。
はあ?何言ってんだ、コイツ。
つーか、俺いま……宣戦布告されてる?
「いや……」
「じゃあ、今日はこれで失礼するよ。柚音にもよろしく伝えてといて。あと、これ差し入れ」
俺が反論する前に持っていた袋を押し付けて帰っていった。
なんなんだよ、アイツ。
部屋に戻って、アイツが持ってきたものを冷蔵庫になおして、先程書いたメモに
【さっき、上埜和真が来て付き合ってんのバレた】
とだけ追加して部屋を出た。
まあ、正式にはバラしたが正解なんだけど。
きっと、起きてメモを見たら発狂するんだろうな。
そんな可愛い俺の柚音ちゃんは俺だけのもので。
絶対、アイツになんてやらねえから。