パーフェクトな君の弱点。



部屋に入ると、ぶわりと部屋中に柚音ちゃんの匂いが漂っていて早くも俺は理性を保てるか怪しくなった。

いや……これはいくらなんでもキツイ。

相手は病人……相手は病人……と呪文のように心の中で唱えて何とか踏ん張る。


これって……なんかの拷問?

それか俺の理性を鍛えるための修行だったりする?


「善くん、こんなにいっぱい買いすぎだよ」


俺が買ってきたものを冷蔵庫に入れるためにキッチンに持っていき、中身を見た柚音ちゃんが呆れたように笑う。


「だって何買ったらいいか分かんねえし、柚音ちゃんが心配で気づいたらそんだけ買ってた」


できるだけ柚音ちゃんが困らないように、アレもコレもと選んでいたら会計の時にはカゴいっぱいになっていた。


「えへへ、わたし善くんに愛されてるねえ」


とろんとした笑顔を浮かべて、照れくさそうにしている。