「善くん……どうしてここに?」
だって、ドアを開けて出てきた柚音ちゃんは熱のせいかいつもよりもぽわんとしていて、俺を見る目もとろんとしている。
そして、そこに加えてこの前も悶えたあのクマのパジャマに今はクマの顔のスリッパまで履いている。
正直、目のやり場に困って仕方ない。
ちょっと、可愛すぎる。
一刻も早くここから立ち去らなければ、もれなく俺の理性が死ぬ。
「あー……野原さんから熱出てるって聞いて居ても立っても居られなくて来ちまった。これ冷えピタシートとかも入ってるから。ちゃんとゆっくり休んで安静にしとくんだぞ。じゃあな」
ドラックストアで買ってきた品々の袋を渡して帰ろうとした瞬間、俺の服の裾をぎゅっと柚音ちゃんが掴んだ。
「ゆ、のんちゃん……?」
俯いている彼女の顔は見えない。
どうしたんだ……?



