そう思い、近くのドラックストアに入り、冷えピタやスポーツドリンクに風邪薬、柚音ちゃんが好きそうなゼリーとかカゴいっぱいになるまで買って、ドラックストアを出た。
パンパンの袋を持って、タクシーに乗り込んで家まで向かう。
柚音ちゃん、寝てるかな。
一回、インターフォン鳴らして出なかったらこの差し入れはドアノブにでもかけておこう。
平常心を保っているけど、内心は心配でたまらない。
一人で寂しくねえかな。
タクシーに乗って10分程して、自宅のマンションに着いた。
―――ピーンポーン。
柚音ちゃんの家のインターフォンを鳴らすと「え、善くん……?」といつもより掠れた声が俺の名前を呼んだ。
「柚音ちゃん、大丈夫?差し入れ買ってきたんだけど……」
まだ話していたのに、扉がガチャっと勢いよく開けられた。
中から出てきた彼女の姿を見て、俺は心配だからといって柚音ちゃんの様子を見に来たことを少しだけ後悔した。



