《善side》
【善くん、今日は学校休むので音楽室には行けません。ごめんね】
朝、そんなメッセージが来て理由を聞いても返信がないまま。
もしかして上埜和真と何かあったとか……?
いや、朝から上埜先輩の姿は学校内で見たから違うか。
だったら、柚音ちゃんの身に何かあったってことになる。
一体、どうしたんだよ。
あー、気になって学校どころじゃねえんだけど。
それに上埜和真と漣柚音は付き合っているという噂が少しずつ流れ始めているらしく、俺の耳にも入ってきた。
ムカつく。俺が彼氏なのに。
つーか、再会してすぐにハグなんかするか?
「なあ」
自分の席に座って、前に座っている満に声をかけた。
グループも一緒でクラスまで一緒って四六時中コイツと一緒なんだよな。
まあ、苦楽を共に乗り越えてきた唯一の仲間だから嫌じゃねえけど。
「なんだよ」
「柚音ちゃんが今日休んだ理由、野原さん知らない?」
振り向いて返事をした満に柚音ちゃんの情報を得ようと聞いてみる。