パーフェクトな君の弱点。



「そうだといいんだけどなあ〜〜」


校舎までの道を歩いていると、


「柚音!?」


と、後ろから聞き覚えのある声が耳に届き、後ろを振り返ると同時に勢いよく抱きしめられて目の前が真っ暗になる。


ええ……!?

ちょっと、なんで抱きしめてくるの!?


「柚音、会いたかった!」


いや、その気持ちは嬉しいんですけどね。

わたし、みんなには秘密だけど彼氏がおりますので。


「えと、カズくん?み、みんなが見てるから……」


そう言って彼の背中をトントンと軽く叩く。

みんながザワザワとしているし、痛いほど視線を感じている。

隣にいる希織ちゃんだって目が点になっているし。


「あ、ごめん!柚音にまた会えたことが嬉しくて!」


恥ずかしそうに笑いながら体を離す。


仮にも売れっ子俳優なのに大丈夫……?

わたしなんか抱きしめちゃって……みんな見てたし。