パーフェクトな君の弱点。



『善くん、今帰ってきたの?』

「え、うん。なんで?」

『鍵開いた音、聞こえたから。おかえり』


まあ、ここの壁そんなに分厚くねえから聞こえててもおかしくはねえか。

パチッと部屋の電気をつけて、荷物を適当に置いてからソファに腰を下ろした。


「ただいま」

『ふふっ、なんか一緒に住んでるみたいだね』


電話越しでもわかるくらい嬉しそうな弾んだ声にキュンと胸が高鳴る。

はあ、そんな可愛いリアクションされたらまじで一緒に住みたくなるじゃん。


「じゃあ、一緒に住む?」


今も隣の部屋だし、一緒に住んでも変わんねえし。


『す、住まないよ……!』


慌てた柚音ちゃんの声が聞こえてくる。


「なんで?」

『善くんはアイドルだし。それに一緒に住んだら……』


語尾がゴニョニョ言っていて何を言ってるのかわからない。