「あー、お前最近寝れてんの?」
「柚音ちゃんと一緒なら寝れんのよ。不思議なもんでね」
何でかはわかんねえままだけど、医者に“ある人の近くだと寝れる”と言うと、目を丸くしてビックリしていた。
裏表のない彼女だったから俺は眠れたのかもしれない。
「まじで遺伝子レベルじゃん」
「だから言ってんだろ」
「すげーな。もう手放せねえじゃん」
「手放す気ねえっつーの」
「ライバル現れたらどうすんの。彼女があの学校に入学した理由は初恋の人に会うためらしいぞ」
「は?まじ?」
なんだよそれ。
もう柚音ちゃんはそいつに会ってんのかな。
いや、でもそんな奴にあったなんて言ってなかったし、柚音ちゃんに限って浮気とかなさそうだしな。
「まじまじ。誰かまでは知らねえけどちゃんと掴んでねえとお前も危ないんじゃん?」
まあ、確かに柚音ちゃんはチョロいからちゃんと見とかないとすぐどっか行きそうではある。



