パーフェクトな君の弱点。



「……えっと、よく眠れましたか?」

「は?」

「いや、あの……すごい疲れてるように見えたので。人の家の前で寝るくらいだし」


自分の家まで辿り着けないくらい疲れるって普段は一体何をしている人なのかな。

わたしと同じくらいの年齢に見えるけど。


「俺、自分の家に帰ったつもりなんだけど」

「帰れてないですよ」


どこが家なのかは知らないけど、あなたがいたのはわたしの家の前ですから。


「ここ、俺ん家じゃねえの?」

「違いますけど。寝ぼけてます?」


どこをどう見てもわたしの部屋だし、自分の部屋と家具とかが違うとかわかるでしょ。


「寝ぼけてねえよ。確か8階の角部屋だったはずなんだけど」


ベッドから起き上がって、後頭部を触りながら言う。