パーフェクトな君の弱点。



わたし以外の誰かに笑ってる善くんをみて胸がどうしようもなく苦しくなって息ができなくなりそうだ。


勝手だってわかってるけど、わたしだけに笑ってよと言いたくなってしまう。


別に付き合ってるわけじゃないのに。
バカみたいだ。

わたしなんかが善くんに好きになってもらおうなんて100年早い。
善くんには沙綾ちゃんみたいな大人っぽい女の子が似合う。

わたしみたいな子供っぽいのとは全然似合わない。


「柚音ちゃん、待って!」


後ろから善くんの声がして振り返ると、息を切らしながらこちらに向かって走ってきている。


な、なんで追いかけてくるの……!?

沙綾ちゃんと話してたくせに。

そう思っても足の遅いわたしが現役高校生の善くんに敵うはずもなく、腕をがしっと掴まれて、近くだったSiriusの楽屋に連れてこられた。