パーフェクトな君の弱点。




「あったりまえじゃん!今日の撮影もほんとはちょっと複雑だったからゆのたんが羨ましかったよ」


そう言って笑う希織ちゃんの瞳は切なげに揺れていた。


そうだよね。

他の女の子と好きな人が仕事とはいえ、触れ合ったりするんだもん。

不安にならないわけがない。

それに比べたらわたしはたまたま善くんの相手の女の子になれたし、希織ちゃんのほうがきっと辛い。


「ごめんね、希織ちゃんのほうが辛いのにメソメソしちゃって。わたし、善くんに好きって言ってもらえるように頑張る……!」


ちょっと冷たくされたくらいでめげてどうするの!わたし!


「ふふ、応援してるね」

「わたしも希織ちゃんのことめちゃくちゃ応援してるから!」


いつか、いつか希織ちゃんの想いが満くんに届きますように。

わたしが見ている感じ、二人はかなりいい感じだと思うんだけど。