パーフェクトな君の弱点。



もうどう頑張っても素人のわたしにはわからないからプロである善くんに全部委ねよう。


「ZENくんが漣さんにティアラをつけるシーン撮影しまーす」


カメラマンさんがそう言うと、目の前にいる彼の雰囲気がパッと変わったような気がした。

善くんは持っていたティアラをわたしの頭に乗せようとして彼の手が伸びてくる。

わたしは髪の毛と角度で顔が隠れているけど、善くんの顔は、はっきりと見える。

いつもとは違うその顔つきはZENそのものだった。


ああ、これが芸能人としての善くんなんだ。


彼はわたしの頭にティアラを乗せると、柔らかく目を細めてわたしの髪の毛をすっと掬い上げると、そっとキスを落とした。


とてつもなく破壊力のある笑顔とその行動に鼓動がキュンと甘く音を立てて、ばくばくと早鐘を打ち始める。


わたしを見つめる色素の薄い茶色の瞳はとろけるように甘い。


ぶわぁ、と顔が熱を帯びていく。