パーフェクトな君の弱点。



「きゃあー!ゆのたん可愛い!お似合いだよ!」

「おー、元がいいから善と並んでも違和感ないよ」


スタジオに入ると、希織ちゃんと満くんがめちゃくちゃ褒めてくれて単純なわたしは上機嫌になって心の中でスキップをしていた。


「よし、じゃあ撮影始めまーす!」


その声が合図になり、わたしの人生初めての雑誌撮影が始まった。

うわあ……緊張してきた。

わたし、ちゃんとやれるのかな。
善くんの足引っ張らないかな。


「柚音ちゃん、緊張してる?」


セットに着いて、指示された通り待っていると善くんがくすりと意地悪そうに笑いながら言った。


「し、してるよ……!手汗がすごいし!」


手袋をしているからあんまり目立たないけど、さっきから手汗が止まらない。


うぅ……やっぱり引き受けるんじゃなかった。


「俺に全部委ねて」

「え?」

「悪いようにはしないから。お前は俺だけ見てて」


目を細めてまたも自信たっぷりに笑う善くんにわたしは頷いた。