「本当かい!?どんな子なんだ!?」
「そこにいる漣さんです」
その言葉と共にみんなの視線が一斉にわたしの方へ向けられた。
え……?なんでわたし……?
これは何かの間違いですよね……?
「確かに彼女のルックスなら申し分ないし、衣装も合いそうだし、元々顔も隠れるようにする予定だったからいけそうだな」
プロデューサーさんはわたしの全身をじっと見ると、満足そうに頷いた。
「いや!わたしには無理です!」
いくら顔が隠れるって言ったって素人には荷が重すぎる。
プロのカメラマンさんに写真を撮ってもらうなんて七五三以来なんだから無理だって~~!
「お願い、柚音ちゃん。こんなの頼めるの柚音ちゃんしかいねえんだよ」
まるで子犬のようなきゅるん、とした瞳でわたしを見つめてお願いしてくる善くんはズルい。
さては、わたしがその顔に弱いのをわかっててやってるな……。



