パーフェクトな君の弱点。




「なんかヤバそうだね」

「う、うん……他の人とかいないのかな」


代理の人とか今から見つけられないのかな。


「さすがに今すぐに見つけるのは大変なんじゃないかな?」

「そっかぁ……」


希織ちゃんのごもっともな言葉にしゅんと眉を下げた。


確かにそんなすぐに変わりが見つかるわけないもんね。

お仕事してる善くんを見るの楽しみにしてたんだけどなあ。


ザワザワと騒がしくなってきたスタジオ。


「あの、どうされたんですか?」


頭を抱えているプロデューサーの元に善くんがやってきて声を掛けた。


「実は君の相手役の女性が体調不良で参加できなくなってしまって……今からじゃ代理を見つけられそうにないんだ」


「そうだったんですか。……僕、一人だけすぐ撮影に参加できそうな子に心当たりがあるんですけど」


ええ!?

善くんって人脈広いなあ。

こんな急なことなのにすぐに来てくれる女の子がいるなんて。

それくらい仲がいいってことなのかな……。


胸にチクリと細い針で刺されたような痛みを感じた。