パーフェクトな君の弱点。



「あの、わたしなんかしちゃった?」

「いや、柚音ちゃんは何も悪くねえから」

「そ、そっか」


コンコンコン、とノックが聞こえてきてドアが開いた。


「失礼しまーす。撮影の準備ができたのでスタジオまでお越しください」


若いアシスタントの女性が二人を呼びに来てくれたみたい。


ついに間近でSiriusとしてのZENくんが見れる。


ワクワクとドキドキで胸がいっぱいで、善くんに褒めてもらえなかったことなんてどうでもよくなりつつあった。

こんな時に自分って単純でチョロい性格でよかったって思うよね。



「じゃあ、行くか」


善くんがそう言って、わたしたちは案内されたスタジオに移動した。


「お疲れ様です。今日はよろしくお願いします」

「お疲れ様です。よろしくお願いします」


Siriusの二人は現場に入ると、一人一人にきちんと挨拶して回っていた。


こういうところも彼らが人気になれた理由の一つなのかもしれない。

ほんと、わたしと同い年なのにすごいなあ。
もう尊敬しか出てこないよ。