「せっかく可愛くしてきてくれたのにそれだけってことはないでしょ」
呆れたように満くんがため息をつく。
「……うるせえ」
やっぱり、なんか善くん怒ってる。
わたし、何かしちゃったかな?
「ははーん、善ってば、俺と漣さんが話してるの見てヤキモチ妬いちゃった?」
「ええ!?」
「いや、なんでゆのたんが驚いてるの」
思わず、大きな声で驚いちゃったわたしを見て希織ちゃんと満くんがクスクスと肩を揺らして笑っている。
「だ、だって……あ、ありえないよ!善くんがわたしにヤキモチ妬くなんて!」
そりゃあ、妬いてくれたら万々歳ですけどね。
だけど、満くんは驚いたように目を大きく見開いて
「……善、お前も大変だな」
と、言い、それに続くように隣の希織ちゃんまで
「頑張れ、漆葉くん」
なんて言い出した。
「黙ってろ」
そんな二人の言葉に善くんは不機嫌さを隠しもしないで言った。
あれ、なんか2人が善くんを哀れんでるけど、なんでなんだろう。



