「あー、つい癖で。善がいるのにごめん」
「いえ……わたしはそんな……」
そもそも、善くんがいるからなんなんだ?
わたしと善くんは別に恋人じゃないのに。
明らかにムスッとして再びソファに腰を下ろした善くん。
機嫌悪いけど、今日もとびきりかっこいい。
少しメイクをしていて、いつもとは違うセンター分けの髪型、撮影のテーマに合わせてなのかチェック柄の茶色いスリーピースのスーツを着ている善くんは色気がダダ漏れでしんどい。
これを雑誌で初めて見ていたらビジュが大爆発してる善くんに「あー!尊い!無理!」とクマさんに顔を埋めて発狂していたこと間違いなしだ。
「柚音ちゃん、ここに座りなよ」
善くんが指示してきたのは自分の隣。
どうしようかと希織ちゃんに助けを求めると、綺麗なウィンクが返ってきた。
気にしないで座りなってことだよね……?
ありがたくそうさせていただこうかな。



