【完】遊佐先生の甘い熱






飛鳥はたいそうモテた。
男に告白されるのもあとを立たなかったし。
それを華麗にかわすのも得意だった。




だけど。
彼氏はいらない、恋愛はしない、の一点張り。



高校一年の間に何度告白されたか計り知れないが、本当に彼氏が出来たことは一度もなかった。




…だから、分からないんだ。
飛鳥が誰かと付き合う未来を想像しても、自分へどんな影響があるか。





学校では、いつの間にか俺と十環、そして飛鳥の3人でよく行動するようになって。



俺は…それだけでも、幸せだった。
それは本当。




安心しきっていたある日、油断していた俺のもとに稲妻が落ちた。



それは、飛鳥が突然こんなことを言い出したから。





『わたし…2組の中村くんと付き合おうかなぁ』




中村は運動が得意でサッカー部の次期エースだった。
そりゃもう…めちゃくちゃに焦ったよ。