( 遊佐SIDE )
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百瀬に昔話をしたことで、高校の頃のことを思い出していた。
あの頃は…いちばん、青春だったと思う。
元々、中学のときから女にモテることもなく、運動も苦手だし…。
友達も特定の数人だけで、冴えない人生を送ってた。
そんな俺の目の前に現れたのが、飛鳥。
──大森(オオモリ)飛鳥。
俺と同い年で、眉目秀麗、成績優秀。
まさに絵に書いたような美人だった。
家からいちばん近い高校を受験しただけだったから、恋愛には期待してなかった。
だけど…。
俺は、一目にして恋に落ちた。
飛鳥の前に元カノはひとりだけ。
でもそれも、ちゃんとした恋愛ではなかった…と思う。
こんなことを言うのは元カノにも失礼だけど。
付き合ったのだって中学2年の半年間だけだし。
向こうは俺のことを好きでいてくれたかもしれないけど…。
俺としては、ほぼ同情みたいなものだった。



