ドキ…。
音もなく、あたしたちの隣に立った先生。
あたしの心、読んだの…?
すごいよ…先生。エスパー?
「でもその会長さんは分かってないよ…。真の運動嫌いって言うのは、バドすら例外にならないんだよ」
あたしが口を尖らせると。
先生は、あははっと声を上げて笑った。
…先生の笑顔も、笑い声も、好き。
ぜんぶ、愛おしいよ。
「お前、体育は好きって言うくせに運動嫌いって! 変なやつ」
ぐしゃぐしゃって、髪の毛乱された。
先生…胸が痛い。
体育は好き。
先生が教えてくれるから。
先生を見れるから。
体育係として、先生に頼りにしてもらえるから。
でも、運動は好きじゃない。
疲れるし…どのスポーツも下手だし。
出来ることなら、ずっと逃げていたい。
「先生の鈍感!!」
そう言ったのはあたしじゃない。
茉白…。
ずっと前から、あたしの恋を応援してくれてる一番の親友。