それ…あたしじゃだめ?
飛鳥さんに勝てるかはわかんないけど。
先生のこと、誰よりも愛す自信ならあるよ…。
「先生…」
口が震える。
先生から飛鳥さんの話なんて聞きたくない。
「…灯台下暗しって言葉があるよ、先生」
「ん?」
こんなに近くにいるのに、遠いね。
あたしだったら先生を幸せにできる…。
一旦さ。
飛鳥さんのこと忘れて、近いところ探してみたら?
「なにが言いたいんだよ、百瀬」
「…遠くばっかり見つめてて、もったいないなって」
子供みたいに意地張った。
先生があたしを見てくれないから。
…悔しい。
こんなに好きなのに。
先生なんて大嫌い。
…でも、いちばん嫌いなのは。
想いを伝える勇気すらないくせにひとりで拗ねてるあたし。
「よくわかんねー、お前」
わかんなくていい。
先生…あたし、絶対にあきらめない。
先生のこと、本気で落とす。
飛鳥さんのことも…あたしが忘れさせる。
ぼーっと柵に腕をかけて街を眺める先生。
その数歩うしろから、背中を見つめて。
あたし…今日も訴えかける。
先生が好き。大好き。
あなたの…彼女になりたい。



