【完】遊佐先生の甘い熱






想像するだけで胸が苦しい。
…このまま、先生と生徒って関係のまま、そんな日が訪れたら。




あたしきっと、何年たっても先生のこと引きずって、毎晩泣いちゃう。




今のままでもじゅうぶん辛いのに…。
これ以上、泣きたくない。




だから、ねぇ。
せんせ。…あたしを、はやく彼女にして。




そしたら、もし先生が異動になっても…。
辛いのは変わらないけど、今よりは平気だから…。





「先生…彼女とか、作らないの?」





ホントは聞くつもりなんてなかった。



自分の望んでない答えを聞いたとき、傷つくって分かってたから。




…先生は、優しく笑う。





「今はいらないかなぁ」


「……」





ずーんって重い石が乗っかった感覚。
うん…やっぱり、先生はあたしの期待する言葉を言ってくれない。





「あー、でも、急いでないって意味だし」


「…うん」


「時が来たら、いずれはな」