先生の車。
大きなSUVの黒。
勝手に、先生は白だと思ってたからびっくり。
ギャップだ…。
「おじゃましまーす…」
ドアを開けて、恐る恐る助手席に乗り込む。
先に運転席に座っていた先生が、あたしにクッションを持たせてくれた。
ネコ。
先生、好きだもんね…。
「かわいー」
「だろ。じゃ、出発進行ー」
ぬいぐるみを抱き抱えながら、先生の運転姿を眺めてた。
かっこいいなぁ…。
こんなの見せられたら、もっと好きになっちゃうよ。
「見すぎ」
「えっ…!?」
「緊張するって」
照れたように笑う先生に見とれた。
もう…これ以上好きにさせないで。
緊張なんて…。
あたしのほうが、してる。
先生とこんなに完全密室でふたりきりになるのはじめてだし。
心臓、さっきからずっとうるさいんだもん。



