……あのね。
ありのまま、現状を伝えるね。
まず、目が覚めたら白い天井と白いカーテンに囲まれてた。
直前の記憶、あんまりない。
「お、百瀬」
名前を呼ばれて、反射で顔を横にずらした。
大好きな声。聞き間違えるはずがない。
「…せんせ?」
「先生だぞー」
うん。
見紛うことなき先生だ。
でも…なんであたし、保健室にいるんだろう。
「お前なぁ、体育の時は水分取れって言ってるだろ」
「…え?」
「脱水で倒れたんだよ、お前」
あー…。
それはタイヘン、ご迷惑を…。
先生にダサいとこ見せないように頑張ってたはずが、ちゃんと情けない姿見せちゃったな。
「ごめんなさい…」
「まぁ、無事でよかった。これからはちゃんと水分補給するって誓えるか?」
「うん、する!」
「ホントかなぁ…」
信じてないね。
そんなに言うならさ、先生があたしにお水飲ませてよ。
とか変なこと考えちゃうあたり。
あたし、脱水症状でだいぶ頭やられちゃってるかな。