【完】遊佐先生の甘い熱





それに素直に『ありがとー』って感謝しちゃうあたり。
弥生って、マジで救えないくらい鈍感。





顔赤くしてたのも、なんで気づかないの?
俺、馬鹿みたいに嫉妬してたんだけど。
分かれよ、いい加減。




弥生を好きでいると、こういうちょっとしたことで自分を情けなく感じるから、そろそろ男としての自信をなくしそう。





「今日、楽しかったねぇ」




相変わらずニコニコ、笑顔振りまきやがって。
バカ女。……マジで好き。




俺がさりげなく手を握っても、文句のひとつも言わず、小さい手で握り返してくる。




どう考えても、俺のこと友達としてしか見てない。
それがムカつく。




弥生があの教師を好きなのは薄々勘づいてた。
コイツはなぜか隠そうとしてくるけど、好意むき出しだし。



なんで俺じゃねえのかな。




だって遊佐、25歳だし。
教師だし。望みないし。



同級生で、去年からずっと一緒にいる俺のほうがよくね?




……なんて思っちゃう俺は、まだまだガキなのかな。