【完】遊佐先生の甘い熱






( 乃蒼SIDE )



◎ ◎ ◎





土曜日。
俺がどれだけ勇気を振り絞って誘ったのかも知らずに、この鈍感女は横で呑気に笑っている。




急に誘ったらキモがられるかも、とか。
クラスのヤツらに見られたら、とか。



散々悩んで、結果。
弥生の私服を見たい。一緒に外へ出かけたい。



その欲望が、俺の勇気を掻き立てた。




結局…ボウリング場のクーポンを出汁に使うとか、ダサいことしちゃったけど。





でも、誘ってよかったし、悪いこともあった。
それも含めて、恋愛の醍醐味だと思うから…別にいいんだけどさ。





まず、悪かったことひとつめ。
途中、クラスの男たちに会った。



弥生はどう見ても気づいてなかったけど。
アイツら、弥生に気とられすぎ。



私服かわいいね、なんて褒めてたけど……。
あれ、絶対服のことじゃなくて弥生本人のこと褒めてたよ。