【完】遊佐先生の甘い熱





ただの嫌味じゃないことくらいわかるよ。
乃蒼って、案外分かりやすいからね!





「別に。お前はなんにも気づかず鈍感貫いてろ」


「……あー、悪口って言うんだよ、そういうの」





でも。
これ以上、深入りしてほしくなさそうな乃蒼の横顔。



頭から離れなくなりそうだったから、必死で話を変えた。



聞くのは、今じゃなくてもいいよね。
乃蒼とはこれからもずっと友達なんだし……。



あたしと先生の間にもし何かがあっても、乃蒼はそばにいるわけだし。
うん、だから、大丈夫だ。





「良い友達持って幸せだなぁ」




心の底から零れた本音。
とってもポジティブだし、ハッピーな言葉でしょ。




それなのに、乃蒼は…。
やけに、哀しそうな顔をするんだね。