ラーメンってなんであんなおいしいんだろ。
あたしは豚骨。
乃蒼はしょうゆ。
幸せいっぱいでお店を出た。
ラーメンを待ってる間、食べてる間、食べ終わってからも…。
たくさんの話をして、もうへとへと。
喋り疲れた。
お店のドアの前にある階段を少し降りて、足に違和感。
それはだんだんと大きくなって。
「いっ……!?」
思わず声が出てしまうほどに膨らんだ。
突然座り込んだあたしに、乃蒼は驚いてしゃがむ。
痛い…。靴擦れってやつ……?
慣れないヒール。
子供っぽいって思われたくなくて背伸びしたの、バチ当たった。
「うぐ……痛いよぉ」
「ちょ、泣くなって……こっち座って」
落ち着ける場所に腰を下ろして、乃蒼はショルダーバッグからなにかを取り出した。
絆創膏…。
「乃蒼……女子力たかい…」
「兄ちゃんがうるさいんだよ、こういうの」



