「はーっ、疲れたぁ」
ボウリング場を出て、ぐぐっと背伸びをする。
久しぶりにちゃんと運動して汗かいちゃった。
帰ったらすぐシャワー浴びよっと。
「弥生」
「んー?」
振り返ると、乃蒼が太陽の光に照らされてあたしを見てた。
時刻、まだ15時。
「ラーメン食べよ」
隣にあるね。
おいしいラーメン屋さん。
男子高校生ってラーメン好きだよね? なんでだろ。
「いいよー、おなかすいた」
「昼食べたんじゃないのかよ」
「食べてない。寝坊したもん」
弥生らしいって笑う乃蒼。
それ、失礼じゃない?
ていうか…。
「乃蒼は食べてきたんでしょ? なんでラーメン?」
「……寝坊した」
あたしよりはやくいたのに?
やっぱり、あたしたち似てる。
友達になって正解だね。
「いっぱい食べて大きくなってね」
「…こっちのセリフだけど?」
な…。
チビって遠まわしに言ってるでしょ。
ほんっと、失礼。
「すぐ大人の女になってみせる」
そう…。
先生が、彼女にしたいって思えるくらいね。
先生の隣を歩いても恥ずかしくない女。
今の、あたしの目標。
……はぁ。また思い出しちゃった。
先生に会いたい。



