「ただいま」
乃蒼が帰ってきた。
ぴとって、頬に冷たい缶を当てられる。
…びっくりしたぁ。
声は出さなかったけど、肩は震えちゃった。
「あ、これ…」
乃蒼は照れてるのか、こっちを向かずに座る。
ちゃんと缶コーヒー。うれしい。
「いい子」
「っ…やめろ!」
頭なでなでしたらまた怒られた。
自分はサイダー。ぷしゅって良い音を鳴らして蓋を開ける。
「おいしい?」
「…普通」
おいしいっていいなよ。
缶コーヒー、おいしいよ?
乃蒼の愛が詰まってるからね。
ふたりでつかの間の休憩タイムを過ごしていると。
「あれ、乃蒼と百瀬さんじゃん」
あ。
クラスメイトの男子、三人。
たまたま通りがかったみたい。
乃蒼は普通に「おー」って挨拶。
「なに? ふたりってそういう感じ?」
「ちげーよ」
付き合ってないよ。
友達。それも超友達!



