【完】遊佐先生の甘い熱






レーンに通されて、ふたり自分に合ったボールを持ち寄る。
あたし、軽めのやつ。
非力だからね。




最初は乃蒼。一投目。
お手並み拝見。……4ピン。





「あれれ」


「…うるさい」





にまにましながらいじったら、怒られちゃった。
乃蒼も意外と非力?



二投目。





「わあ」


「…ふん」





スペア取っちゃうの、ずるい。
一気に形勢逆転。
あたし、冷や汗ダラダラだよ。




ボールを構えて…一投目。




…1ピン。





「あれ? 子供用のすべり台あったほうがいいんじゃね?」


「うるさいなぁー」





たまたまだよ、たまたま!
自分はスペア取ったからって調子乗って。





ムスッとしたまま迎えた二投目。
ガーター。肩落としたよね。





「ざこ」


「…口悪い」




むにって、乃蒼のほっぺたつねってみる。
あ、大発見。




「乃蒼、ほっぺ柔らかいね」


「…やめろ」


「あかちゃんみたい」





そう言ったら、手振り払われちゃった。
さっきあたしのこと煽った罰だよ。