そして翌日。
起きれるって思ってたのに、ちゃんと寝坊した。
約束の時間には間に合ったけど、お昼ご飯食べ損ねたよ。
なにやってんだか。
「おまたせ」
ボウリング場の前。
先についてた乃蒼に合流。
もう一年以上友達やってるけど、私服見る機会はあんまりないから新鮮。
「待ってない」
…ひゅー。
イケメン発言。
乃蒼ね。
普通にモテるよ。
チャラい男の子って、女子の大好物だよね。
あたしはお断りだけど。
「ふーん。かわいいじゃん」
ほらね。
チャラい。
誰にでも言ってんだよ、こういうこと。
知らないけどね。
かわいいかな?
慌てて引っ張り出してきたありあわせの服たち。
「行こ」
「うん」
そっ、と。
手、繋がれた。
…なんで?
ボウリング場の受付カウンターにつくまで、あたしの視線は繋がれた手に釘付けだった。



