「ちが、うの……っ」


「何が違う? とりあえず、俺のせいじゃないって思っていい?」





あたしは頷いた。
そういうことでいいよ。
先生のこと責めるつもりなんか毛頭ない。





「…そっか。ならいいんだ」






安堵したような声。
先生…あたしだけに優しくして。
どんどんわがままになっていく。




怖い。
これ以上恋するの、こわいよ…。




先生、おねがい。
あたし。先生のこと、嫌いになりたい…。





「まぁ、人に言いたくないことのひとつやふたつあるよなぁ」


「…うん、ごめんね」


「なんで謝るんだ? 俺が何かしたわけじゃないならよかったってこと!」





にかっと太陽みたいな笑顔で笑う。



あぁ、もう…ダメだな。
先生のこと、やっぱり大好きだよ。



どう頑張っても、嫌いになんてなれそうにない。
今、この一瞬でわかっちゃった。





「せんせ……」





ーー好き。




口に出しそうになって、慌てておさえた。
心の中にとどめておくだけじゃ満足できない。