【完】遊佐先生の甘い熱






教室が見えてきた。
先生がいたら驚かせようかな…なんて、ちょっと足音を静かにして。




ワクワクしながら…。
教室の中を覗いて、後悔した。





「先生…彼女とかいないの?」


「んー? お前には関係ないことだよ」





机ひとつ挟んで座る、女の子と先生。
モヤ。…見たくなかった。




そりゃ。
先生は教師だし、自分の担任するクラスの女子とふたりきりでいたって、なにも不思議じゃない。




だけどね。
先生とふたりきりになれるのは、いつだってあたしだけだって…勝手に思ってた。




だから衝撃。
泣き出しそうになったよ。




あたしの気配に気づいたのか、ゆっくりこっちを向く先生。
ぱっと笑顔を見せてくれるけど、でも…。




どんな話してたの?
告白されたりした? なにしてたの?




ハテナだらけ。
もうイヤ…先生に恋するの、やっぱりしんどい。