【完】遊佐先生の甘い熱






「あー……ごめん。それで? それだけ言いに来たわけじゃないんだろ?」




あたしの不機嫌に気づいてすこし焦ったのか、先生は話を変える。
よく知ってるね…。




「うん。あの…これ、あげる」




あたしは先生に小包を渡す。
気持ち込めて選んだよ。喜んでくれるかな…。




「…開けていい?」


「うん」





ドキドキ。
先生が包みを開ける間、気が気じゃなかった。





「…うお、ネクタイだ」





先生に選んだのは、水色の生地に白いラインが入ったネクタイ。
いつも白いラインの入った青いジャージを着てるから、それイメージ。



色合い、先生にぴったり。
かわいい。…なんて、大人の男に思うのは失礼かな?





「最近ネクタイほしいって思ってたんだよ! すげぇー、なんでわかった?」





先生のことならなんでもお見通し。
…とは言えない。ホントにたまたま。



でも…喜んでくれてるみたい?