ゴールデンウィーク明け。
学校はいつもより騒がしい。



休みの間会えなかった友達と、“休み中なにしてたか”の話題で盛り上がるクラスメイトたち。




あたしの視線は、もっぱら先生へ。
廊下で女子に囲まれて、ニヤニヤしちゃって。




あたしもあの中、混ざりたい。




「やーよいっ」


「…おはよ、茉白」




おはようじゃないね。
もうこんにちはの時間。


茉白、大遅刻だよ?
珍しく。





「休み明けにこんな遅れて登校なんて…茉白、不良だね」


「人聞きわるーい! ちょっと寝坊しただけじゃん」




ちょっと…?
お昼休みだよ? もう…。





「それはそうと、さ」


「うん」




なんでかな。
茉白が言うこと、だいたい予想つくよ。





「今年もプレゼント渡すの?」




ほらね。
命中。




「あたりまえ」




即答しとく。
先生の思い出に、少しでも残りたいからね。
たとえ付き合えなくても…。