「…弥生」
今度は、呼び捨て。
あたしの呼び方がコロコロ変わる先生、好き。
…ふっ、て、口に柔らかいものが当たる。
何度も奪われたくちびる。
甘い甘い、キス。
「…学校はダメなんじゃないの?」
「…みんなに内緒で付き合ってんだから、これも内緒でいいだろ」
うん、そうだね。
先生…はやく卒業したいけど、したくない。
先生が教師してるところ、もっと見させて。
でも、はやく先生のお嫁さんになりたい。
ワガママだよね。
だけど…それは先生も同じ。
あたし。
気づいたら、先生のトリコだった。
いつまでも。
先生の甘い熱に浮かされて…。
もう、離してなんてあげられない。
…あたしも、先生を繋ぎ止めておけるよう、大人の女性を目指すからね。
「…せんせ、大好きっ」
そういってキスを落として。
「…お前、ずるいなぁ」
先生の呆れ顔に笑った。
白い保健室。
今だけ、ふたりだけの教会だった。
これは、擬似的な誓いのキス。
いつか本物、届けてね。



