…先生の夢、見た。



先生があたしと付き合っていなかった世界線の夢。




先生は普通に教師を全うして、いつか誰かと結婚して家庭を築いていく。




そんな未来もあったのかと思うと。




あたし、告白したの間違いじゃなかったよね。
先生、大好き。
こうして恋人になれたこと、奇跡だと思うよ。





「…ももせ?」




あれ、まだ夢なのかな。
先生の声、聞こえるよ…。



大好きなあたしの名前、呼んでる。





「百瀬、起きたのか?」




むに…。
先生らしきものの頬をつねる。
あれ? 柔らかい…。





「こらぁ。人の頬ムニムニするのやめなさい」




パシって手を掴まれて、やっと気づいた。


…夢じゃない。
本物の先生だ。





「…おはよ、先生」


「はい、おはよう」




目が覚めるといつも隣にいてくれてるね。
先生、授業はまた自由時間にしたの?