「…せんせー」
ひょいって、教官室の中を覗くと。
先生は目を丸くして、少しずつ顔を赤くする。
やばい。
その顔、好き。
「聞いてたの? お前」
「へへ…ごめんなさい」
中に足を踏み入れて、ドアを閉めたら。
先生の対面に座る。
「うれしかったよ。あたしのこと、そんな風に思ってたの?」
「…あたりまえ。俺がどんだけお前を好きだと思ってんの」
…顔、火照る。
先生、ずるいね。
「弥生のこと、顔だけって言われてカッとなって、つい…」
かわい。
あたしのこと、大好きだね。
…あたしも、大好き。
「あたしも、先生の好きなとこ全部言ったほうがいい?」
先生。
耳まで真っ赤…。
「…いや。そういうの、家で言って。学校だと耐えれない」
「…うん」
「てか。さっき言った弥生の好きなとこ。あれで全部じゃないから」
…ちょっと不機嫌な先生の顔。
ほっぺた、むにーってしたい。
「一日かかっても伝えきれないよ…」
あたしのこと大好きな先生が、大好き。
これからも…あたしだけ、見ててね?