「そうなの? …先生、彼女できたんだ」
女の子が驚いてる声だけ聞こえる。
ちゃんと言ってくれてありがとう…先生、大好き。
「どんな子?」
「うーん。…顔がめちゃくちゃかわいい」
「なんだ、顔だけじゃん」
…そうなの?
先生…。
泣きそうになっていたら。
「全然違う。見た目は派手なのに、礼儀正しいし、嫉妬深いのも可愛いし、小動物みたいで…上目遣いが超いいんだよ」
あーあ…。
もう、先生ってば。
そんな事細かに言わなくていいんだよ…バカ。
「へ、へぇ……大好きなんだね」
「大好きなんて言葉じゃ収まらないくらいな」
…あたしさ。
不安になる必要なんて、なかったね。
釣り合うとか釣り合わないとか、どうでもいい。
先生からこれだけ愛されてる。
それだけでじゅうぶんだ。
「わかった…話してくれてありがとう。先生のこと、諦める」
「おう」
「…じゃあ、今年もよろしくね、先生」
そういって、教官室のドアが開いた。
出てきた女の子と目があって、会釈されたけど。
…ちょっと、気まずい。