ドアの上につけられた、『体育教官室』の札。
結局、今年もお世話になりそう…。
付き合ったって、それだけは変わらない。
教官室のドアに手をかけて、気づいた。
…声、聞こえる?
あたし、これよく知ってる。
…告白。
「始業式にこじつけてなんだけど。先生のこと好きだったんだよね」
よく告白されるなぁ。
モテる彼氏を持って大変ですよ、ホントに。
でも、先生があたししか見てないの知ってるから、余裕。
後方彼女面。ていうか、彼女。
「そっか。…ありがとな、俺なんか好きになってくれて」
俺なんか、じゃないよ。
先生はね、それだけ人を惹きつける魅力があるの。
謙遜しないで。
あたしの彼氏なんだよ。先生は。
「…でも、彼女いるからごめん」
…彼女、だって。
今の先生ならそういうと思った。
ねえ、あたし。
先生の彼女として釣り合えてるかな?
変じゃないかな?
まだまだ、不安だよ。



