「…遊佐、泰志」
「そうそう。今年も先生が担任だね、よかったね」
どうしよう。
嬉しいのと安堵で、涙が出そう。
感激してしゃべれないでいると、後ろから聞きなれた愛おしい声が飛んできた。
「お前らぁ、クラス替えに感動してるのはいいけど、はやく体育館いけよ。始業式始まるぞ」
…先生モード。
ふふ…かわいい。
思わず笑ってしまったら、「なにニヤニヤしてんだ? 百瀬のヘンタイ」と悪態つかれた。
学校では、”百瀬”と”先生”。
隠れて付き合ってる感じ、ドキドキするね。
「もー、見てるこっちが熱いんですけど」
茉白に突っ込まれて、あたしたち顔赤くした。
うん…そうだね、学校では控えるね。
できれば。
「じゃあ先生、またあとでね」
「おー」
ひらひら、横に振られる先生の大きな手。
先生…手、繋ぎたいな。
またお預け?
いつまで我慢できるかわかんないよ、あたし。