【完】遊佐先生の甘い熱





…やばい。
頭、ふわふわする。



くちびる。
柔らかすぎる。



…いい匂い。
シャンプー変えた? 弥生。





俺、ヘンタイみたい。
弥生の前だとこうなっちゃうの。



もっと知って。
俺のこと。



…こんなにもお前を好きだってこと、ちゃんと。





「……ぁ、わ…せ、んせ…」





キスだけでそんなになってんの可愛いけどね。
お前いま、先生って呼んだでしょ。




今更しまったって顔しても遅いよ。




これ、罰だから。
理由をつけて、もう一度キスを落とした。




…やば。
これ以上は止まんなくなりそう…。




そろそろセーブ。
なんだかんだ言って俺も大人だからね。
それくらい余裕。





「っ……泰志…もっと」





あーあ。
なんでこいつ、こういうこと言っちゃうかな。



大人だからセーブ余裕とか、前言撤回。
ムリ。絶対、無理。




弥生が悪い。
ぜんぶ…。





「ふ…キスだけでこんないっぱいいっぱいになっちゃって、キスの先できんの?」





三回目のキスのあと、そんなことを口走った。
そういえば…。
弥生は、誰とも付き合ったことないって言ってたっけ。




…俺が、はじめて。
うれしすぎる。





「キ、キスの…先…?」





そういうね。
不安そうに俺を見上げる目、たまんない。





「あー…安心して。お前の卒業まではそういうことしないから」





…どこに反応して、顔赤くしてんの。




お前今、体温高いよ。
俺のせい?
…うん、知ってる。






「…せんせい?」





目の前の弥生が、俺を見上げて口角を上げた。
…こいつ。罰受けるために、わざと先生って呼んだな?



俺が先生呼びを禁止にしたのは、俺を意識してほしかったからなんだけど…。
うん、まぁ、いいや。





「…悪い子」





そういって、また甘いキスを落とす。




俺、弥生には苦くなれない。
微糖の域におさまらないくらい甘くしかできないけど、お前はそれでもいいの?




…うん、これから、もういらないって泣くくらい溺愛してあげんね。




俺、優しい大人じゃないからさ。
……もっともっと、弥生のトリコ。